自分で家をつくることは、理想的な事です。しかし、一人で全てをつくるということには、体力や時間、技術的な限界があります。
他の人に助けを求めながら、人とのつながりを大切にすることを想いながら、自分とみんなでつくるという思考になることができれば、つくる事も楽しくなる上に人間関係が豊かになります。
さて、自分でつくる体験をしたのであれば、家のメンテナンスもできるようになっていると思います。そんな時、隣人が家のメンテナンスに困っていたとしたなら、助け合ってみてはいかがでしょうか?
専門家(棟梁や左官)の指導のもとで隣人あるいは友人たちで助け合いながら家をつくり、家を直すということは、つい100年前までは、普通に行われていたことのようです。
こうした日本の文化を取り戻すきっかけになる事を願っています。
デザインの事、設計の事、建築の法律の事、作り方の事、コストの事などクライアントが不安に思うことを100年前の専門家(棟梁や左官)のように私が支援できたならば、良い繋がりが街に広がっていくきっかけになるのではないか。そう願いながら、日々、活動しております。
※ 家をセルフビルドするというと、現実的なところでは、小さな小屋を田舎でつくる。ツリーハウスをつくる。というレベルが限界だと思います。都会では、建築基準法などの規制もありますし、構造や防水の事もきちんと理解していないと、住まいとしては、成り立たないです。
一般的に30坪程度の家を新築して注文住宅を作りたい方の場合、構造や防水や断熱や設備・電気の部分は、専門家に任せ、内装の部分では時間が許す範囲で自分や友人と一緒に作ってみるというハーフビルドの手法は、現実的な良い方法であると思います。完成させずに、住みながら改良を加えていくことも良い方法です。
また、中古の住宅を購入してリフォームあるいはリノベーションするという方法は、法的な規制・構造・防水面での不安が少ない状態で始められます。空き家率増加の問題もあり、これから、中古住宅をリフォーム・リノベーションする方は増えてくることと思います。
プランを大きく見直し、柱を抜いたり、壁であったところを窓などの開口部にする場合は、設計者に助けを求めないと、構造や防水に問題が起こることがあるので、一級建築士などきちんと資格のある方に依頼すべきです。
誰もが、家をDIYのあるリフォームができる社会になって欲しい。
ですが、まだまだ、発展途上でもあります。
まずは、専門家とともに学び、一緒につくること。初心者の方が建築のハードルを下げ、楽しみながら家をメンテナンスしたり、隣人に作り方を伝えたり、助け合う社会をつくる第一歩は、まず「つくり方を専門家とともに学ぶ事」のような気がします。専門家に学べば、外壁のメンテナンスだって、自分でできることです。難しいと思われていたことも、易しく思えるようになると思います。