コストのコントロールも大事な要素。
予算があることですから、時には考えを改めなければ、いけないこともあるでしょう。
このページでは、その解決のヒントになるコストを抑える方法や「自分でつくる、みんなでつくる」という事が可能にする手法も含めて、少しずつ作っていきたいと考えています。
小さく住むというのは、家族にとって最小限必要なものだけで住むという意味です。
計画を進めていくと、あれもやりたい。これも欲しい。と必要な空間が大きくなっていくケースが多いです。
小さくつくることが良いことであるということを意識していれば、自分にとっての最適な家づくりができるのではないでしょうか。
小さな家は、建物の重量が小さいため、地震時に建物にかかる力が小さくなります。
小さな家は、空間容量が小さいため、エアコンなどによりエネルギーを大きく消費しません。
小さな家は、その佇まいが美しく見えます。
小さな家は、家族の距離が近くなります。
下の写真は、有名な9坪ハウスです。
メンテナンスフリーなどという家は、存在しません。コンクリートにしろ、ガルバニウム鋼板にしろ、サイディングにしろ必ず劣化します。設備機器も必ずいつか壊れる運命にあります。
そのため、家は住み始めてから、維持をするためにコストがかかります。
その中でも特に外壁や金属屋根の再塗装は、10~15年毎に必要と言われ、これを怠ると、漏水したり、躯体にダメージを与える場合があります。
新しく家づくりをする時に、なんらかの形で工事に参加していれば、工事に対する知識が増えるので、自分で、みんなで・・・メンテナンスすることに抵抗がなくなり、ローコストに家を維持できます。
例えば、白川郷の結のように、隣人の家の屋根や外壁の塗装を手伝ってあげ、自分の家の外壁塗装の時には、手伝ってもらう。・・・そんな地域ぐるみのメンテナンスが行われるようになれば、すごくいいコミュニティも日本に蘇るのではないでしょうか。
コストの内訳は、材料費+人件費+諸経費。なかでも人件費は、その作り方によっては、大きく変わります。簡素に作るということに徹すれば、コストも抑えられつつ、簡素な雰囲気が空間を統一してくれます。
できるだけ手間がかからず、すばやく作れる計画をするとコストは抑えられます。
難しくない作り方を考えられれば、自分で、みんなで作ることも可能になります。
すべて仕上げなくても、どこかに仕上げてない部分を残しておくというのもいい。
天井や壁などをコンクリート剥き出しのままとしているリノベーションがいい例ですが、
建築の構造材や下地が露出しているという方法は、どこも同じようにきれいに仕上げてしまうより、ずっと良く見えることもあります。
そうやって、リノベーション自体のコストを抑えながら、お気に入りの家具に囲まれながら暮らすという方法もあります。
写真は、石膏ボード下地に、パテ処理した状態。均一に仕上げて消してしまうより、このラフな感じやドットがある感じを模様として楽しむ。こういうノリで色々、想像を膨らませると、もっともっと、自由になると思う。
お店の場合は、街の人が見るファサードが最も重要で、そこに魅力があるかないかが人が集まるお店になるかどうかを左右するように思います。
コストが許すのであれば・・・ファサードには、他の店では見たことがない取り組みを示すべきかと思います。どこかで見たような佇まいにするくらいなら、やらない方がよいと思うくらいです。ここは、センスを問われるところです。では、ありますが・・・クライアントらしさがないのも、過度なのも、安易なもの、流行っているものは、来客や通りすがる者にもいずれ飽きられるのも、早いでしょう。大事な部分であり、難しい部分です。コストがない場合は、やれる事も限りがありますしね。
どこか店主らしさを求めながら・・・周囲の街に対してどうあるべきか、気持ちがよいか・・・やり過ぎてないか・・・悩みながら・・・ご提案差し上げてます。
それにしても・・・電気工事、換気工事、ガス工事、給排水工事、空調工事、厨房機器は、家づくりのものとは次元が違うハイスペックな仕様ばかりです。コストを合わせていくのも大変なことが多いです。
お店は、どこにコストをかけて勝負するのか・・・どこを抑えるのか・・・そういったバランスなのかもしれません。最近は、そう思うようになってきました。
しかし・・・コストの数字合わせばかりに気をとられていると、それが来客者にも伝わるお店になってしまうかもしれません。
お店をつくる際は、数字も大切ですが、それ以上に、<魅力>をつくることを忘れてはなりません。
<魅力>があれば、人は集まる。そう思います。数字は、数字を示すだけです。
街には<建築>とそうでないものがあるようにも思いますが、一本芯のある<建築>は、人が賑わう。そういう力が<建築>にあると信じています。